Type II
-Modified Complete Restoration-

今回は、錆でボディー全体が侵されてしまった末期症状に近い1963年式Type IIをレストアしました。
ポイントは、腐りと錆を徹底的に取り除くレストレーションと、ナロー化とフロントホイールハウスのライズアップなどのモディファイです。さっそく見ていきましょう。



Before/After/Owner

パーツ脱着&各部点検


カーゴフロアーの錆び状態チェック

ご覧の通り、酷い状態です。有無を言わず「総張替え」決定です。


リア周りのチェック

地金の錆びがペイント表面まで上ってきております。


左サイドパネル錆びチェック

ブリスター(ペイントの浮き)が出ています。


左ドアパネルの塗装剥離

良く見るとすごい凹みがあります。


左フロントピラーの腐り

ピラーが腐ってました。今までドアがよくちぎれなかったな〜と思います。

こうなってても直りますので心配ありません。


左フロアパネル製作&取り付け
(詳細は フロアパネル張替え をご覧ください)


左フロントピラー製作&取り付け

ピラーを作り直してドアを取り付け、開閉に問題ないか確認します。

ボディー剛性、ドアの開閉に直接影響する部分ですので、腕の見せ所です。


左フロントステップ(アウター)製作&取り付け

通称ドッグレグですね。


フロントパネル下部切開

案の定、腐ってます。バスのノーズは袋状の構造になっていて水分が溜まりやすく内部がこうなっているケースがほとんどです。

(この部分にブリスターが出ていれば、間違いなくこのようになっています。他店でフルレストア車を購入後すぐにブリスターが出て弊社に持ち込まれるケースが多々ありますが、残念ながらほとんどがパテ修正して塗装をしているだけです。)


フロントパネル下部製作&合わせ

フロントパネル下部製作&合わせ

腐っていたインナーパネルを製作取り付け後、錆び止め塗料を塗ったところ。

インナーパネル製作&取り付け




ご覧のとおり、フロア全体に錆びが回っており、シロアリに食われたように所々腐っています。
この状態ではジャッキアップしたらボディーがくの字に折れてしまうこともあり得ます。


カーゴフロアー製作過程


カーゴフロアー左側完成

もちろん、シートの取り付け部のプレスも純正と同じように仕上げます。

BUG BOXではコスト&スピードメリットのある社外パネル(Wolfsburg Westなど)での張替えも承っております。


左サイドパネルリブの製作


ロッカーパネル(アウター&インナー)の製作

BUG BOXでは安価な社外パネル(Wolfsburg Westなど)での張替えも承っております。


カーゴフロアーをリムーブしたところ

クロスメンバーは再利用可能だったのが不幸中の幸いです。


ロッカーパネルの仮組み

インナーロッカーパネルから仮組みして位置合わせを行います。


アウターロッカーパネルの仮組み


ドアを付けての調整@

ドアの開閉に直接影響しますので、何度も位置調整を行い「チリ」の確認を行います。


ドアを付けての調整A

同時にホイールハウス内の腐りを取り除き、パネルを現物合わせで作製。


ロッカーパネル本付け


切り取ったロッカーパネル

手で触っただけでボロボロと朽ち落ちてきます。


カーゴパネル貼り付け後


シートマウントの製作


タイヤハウス切り継ぎ跡発見!!

恐らく、オーバーサイズorオーバーフェンダーのタイヤを履くために切り取ったのでしょう。 −よくある話です− これでは日本で売れないためパネルを張ったのだと思われます。

継ぎ方とパネルの材料が良くないため張り替えます。


3インチナローのためタイヤハウス切り取り

ナローに合わせてタイヤハウスを作製します。


エンジンルームから見たところ


切り取ったホイールハウス


バッテリーパン張替え

ここも腐っていたため一緒に張替えです。こんなのは朝飯前です。


バルクヘッドの総剥離

前席後ろの仕切り板の塗料剥離をして状態を確認。錆びをサンダーなどで落とします。




内部の錆び止めペイント

タイヤハウス取り付け&エンジン点検用サービスホールを製作後、内側に錆び止めペイントを行い、本塗りを待ちます。
錆び止めペイントはダッシュボード裏などの見えないところも入念に行います。なぜかと言うと、見えないところから錆びが発生するからです。






内装ペイント完了

もちろんダッシュボード裏も本塗りします。ヒーターパイプが黒のペイントなのはオーナーのこだわりです。
このようにBUG BOXではオーナーのどんな要望にも対応できます。


ホイールハウス内

同色で仕上げられているのもオーナーのこだわりです。


エンジンルーム

塗料の入りずらい場所も、しっかり塗装します。


燃料タンク取り付け

赤の取り付けバンドがアクセントになっています。


センターアンテナ

これもオーナーのこだわりです。


ライズドホイールハウス

ドロップスピンドルでローダウンするため、ストロークを確保するためホイールハウスの位置を上方にずらしてあります。
もちろん純正と同じプレスを入れてあります。



3インチナローしたためエンジンパワーに見合ったタイヤをチョイスできます。これならワイドタイヤもフェンダーを切り取らなくても大丈夫。
3インチショートアクスルはSWAY A WAYの特注品です。



サービスホールも剛性確保とデザインを意識したプレスを入れました。これで、TYPE 3のように簡単にエンジンルーム奥にアクセスできます。



内装で見えないところもしっかり塗装してあることがご覧いただけます。なぜかWestyのStoolが装備されてます!?



エンブレム、トリムなどを取り付け完成!!

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