Late Panel Bus
−Modified Complete Restoration−

Owner:「ポルシェカップホイールが似合うバスにしたい!!」
BB:  「えっ?ホンキですか???」
Owner:「もちろんです。」

Ownerさんと最初にこんなやりとりをしたはずです。覚えてませんが・・・。ただ、そのバスのボロさだけが印象に残ってます。
ファーストコンタクトは、「疲れのたまったやる気のないバス」です。よくよく見ると、サビと腐りがボディー全体に蔓延しており、腐りはファイバーで固めらるという素人さんの補修がされていました。

BB:  「メインフレーム、クロスメンバー以外はサビでやられてますね。」
Owner:「ふぅ〜ん、やっぱりダメですか」
BB:  「直るけど、余生は土に帰るまでそっとしておいた方が幸せじゃないのかな〜」
Owner:「ポルシェホイールを履いたダンディーな姿を見たいのです。」

プロジェクトスタートです。


  
スキャナー取り込みで画質が悪いですが、まさにこのイメージだったのです。

 水が溜まりやすいリアハッチは全周にブリスターというか、指で軽く押すと簡単に穴が開いてしまいました。
 (窓枠のサビ穴から入った水がたまって腐らせています。)

 試しにペイントを剥がしてみると、案の定、腐ってます。インナーリブも同様です。

 ボディー全体を把握したら、内装類をすべて外して作業性を良くします。

 手始めにノーズパネル下部。ここも水分が溜まりやすく、ほとんどのバスがこうなってます。

 多くの方が誤解されているようですが、ほとんどが窓枠のサビ穴から落ちてくる水分が原因です。

 窓枠のサビは本当にコワイです。

 ジャッキサポートです。ここが腐ってては、安心してジャッキがかけられないですよね。

 試しにサンドブラストします。ブラストすると左端のシルバー部分のように綺麗にサビが落ちます。

 でも腐食してできたボコボコは直りません。作り直しです。

 ホイールハウスバルクヘッド、インナー&アウターロッカーパネル、スキン、リブ、腐っているところはすべて作り直しです。

 アウトリガーも腐ってジャッキがかけられなかったので、一番最初に作ってボディー強度を確保しておきます。

 張り替えたところ。

 作業工程はこちらをご参考にしてください。

 おなじみのフロアーパネル張替えです。

 作業工程はこちらをご参考にしてください。

 ドッグレッグも腐っていましたので、張り替えました。

 ここは、アウタースキンも兼ねているのでドアを何度も取り付けては ”チリ” を見ながら完璧に作ります。

 見てください。窓枠のサビです。

 ラバーに隠れているので、知らないうちにサビが進行してしまう部分です。

 このバスは、状態の悪いことに、窓枠から滴り落ちた水が、最も強度が必要なドアピラーを腐らせていたのです。なんとかドアがくっついているという状態です。

 窓枠を作って溶接したところです。ここは3次元Rですので、結構難しいです。

 ドアピラー(インナーストラクチャー)も作り直しです。ここはもっと難しいところです。
 ドアを何度もつけては、型を修正して気の遠くなる地味な作業です。
 でも、仕上がり的にも構造的にも最も重要な部分ですので、納得がいくまで修正を続けます。

 ノーズ部分の板金終了です。細部の仕上げをします。

 いかがですか?作り直したドアピラーは?完璧です。

 バンパーも取り付けて ”チリ” と ”ツラ” の最終確認です。ドッグレッグも完璧です。

 よく見ると作り直したドアピラー分かりますよね。

 パテで最終仕上げをするところです。

 場所によって色が違うのは、パテの特徴に合わせて使い分けているからです。

 サーフェイサーを吹いたところです。これでちょっとは形が見えてきましたね。

 この後、プライマーを吹いて、本塗りを待ちます。

 内側もペイントを剥離して、補修後、サーフェイサーを吹きます。

  

 
エンジンルームも補修後、サーフェイサーを隅々まで入れていきます。

  
室内側から色を入れていきます。



  
ホイールハウスも入念に塗装します。

 
インストルメントパネル両面に色を入れていきます。日本仕様(ヤナセ)なので、US仕様のようなパットは付いていません。


室内・外装を塗り終えたら内装の仕上げにかかります。

  
これで板金・塗装は終了です。でもこれで終わりではありません。BRMホイールでも十分かっこいいのですが、まだポルシェホイールを履いてませんよね。

 ホイールからのぞくPORSCHEのキャリパーが ”ただものではない” ことを予感させます。

 205/45 17Inch 7J/7.5Jをツライチでダンディーに履きこなすにはやっぱり ”ナロード” しかありません。

 もちろん、お約束のローダウンもします。可変機構の御要望からアジャスターを採用しました。

 PORSCHEのブレーキユニット取り付けはノウハウが必要なので ”企業秘密” です。


  
闇夜に浮かび上がる ”PORSCHE BUS” 出来上がりです。

Owner:「ほっホントですか?」
BB:「こちらが、あなたのPORSCHE BUSです。」